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「クラウド会計ソフトって結局どれを選べばいいの?」——創業準備中の方や、副業から本格的に事業をスタートしたばかりの方からよく寄せられるご質問です。freee、マネーフォワード、弥生をはじめ、現在は10種類以上のクラウド会計サービスが存在しており、機能も料金体系もそれぞれ異なります。
私は中小企業診断士・応用情報技術者として、これまで数多くの創業者・小規模法人の経営者から会計まわりのご相談を受けてきました。その経験から言えるのは、「万人にとっての最適解は存在しない」ということです。事業の規模・業種・経理担当者の有無・将来の拡大計画などによって、フィットするツールはまったく違います。
本記事では、2026年6月時点で主要なクラウド会計ソフト7サービスを徹底比較し、それぞれのメリット・デメリットを中立的にレビューします。最後まで読めば、ご自身の事業フェーズに合う1本がきっと見つかるはずです。
クラウド会計ソフトを選ぶ前に確認すべき4つのポイント
ツール選びの前に、まずご自身の状況を整理しておきましょう。私が創業相談で必ず確認しているのは、次の4点です。
1. 事業形態:個人事業主か、法人か
個人事業主向けに最適化されたプランと、法人会計に対応したプランでは、機能の重点も料金もまったく異なります。「とりあえず安いから」と個人向けを選んでしまうと、法人成りした際に乗り換えのコストが発生します。
2. 簿記の知識レベル
複式簿記の理解がある方は、仕訳画面が柔軟なツールを選んだほうが効率的です。一方、簿記の知識がほぼゼロの方は、「家計簿感覚」で入力できるUIに振り切ったツールのほうが続きます。
3. 連携したい銀行・カード・ECサービスの数
クラウド会計の最大のメリットは「自動仕訳」です。普段使っている金融機関やECモール、決済代行サービスとの連携可否は、必ず公式サイトで確認してください。
4. 月額予算とサポートの必要性
初年度無料のプランから、月額5,000円超の本格法人プランまで幅広く存在します。電話サポートやチャットサポートを重視するなら、無料プランでは対応外であるケースがほとんどです。
この4点を踏まえつつ、以下の比較を読んでみてください。
クラウド会計ソフトおすすめ7選 一覧
まずは主要7サービスの料金・特徴を一覧で見ていきましょう。料金は2026年6月時点の最低プラン・税抜き月額換算です(年払いベースのものは月割り計算)。
| サービス名 | 月額(最低プラン) | 主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| freee会計 | 1,518円〜 | 個人〜中小法人 | UI重視・初心者に強い |
| マネーフォワード クラウド確定申告 | 1,408円〜 | 個人〜法人 | 自動連携の精度・拡張性 |
| やよいの青色申告 オンライン | 0円〜(初年度無料) | 個人事業主 | 老舗の安心感とコスパ |
| 弥生会計 オンライン | 2,650円〜 | 法人(小規模) | やよいの法人版 |
| ジョブカン会計 | 2,500円〜 | 中小法人 | 給与・労務との連携 |
| HANJO会計 | 2,178円〜 | 飲食・小売 | 業種特化型 |
| マネーフォワード クラウド会計Plus | 35,760円〜 | 中堅・上場準備企業 | 内部統制対応 |
主要3サービス(freee/マネーフォワード/やよい)の比較表は以下のとおりです。
| 項目 | freee会計 | マネーフォワード クラウド確定申告 | やよいの青色申告 オンライン |
|---|---|---|---|
| 評価 | ⭐ 4.5 | ⭐ 4.4 | ⭐ 4.3 |
| 月額料金(〜) | 1,518円 | 1,408円 | 無料プランあり |
| おすすめの方 | 簿記の知識がない初心者 | 副業から事業拡大を見据える方 | コストを抑えつつ確実に始めたい方 |
| 公式サイト | freee会計 |
マネーフォワード クラウド確定申告 |
やよいの青色申告 オンライン |
ここからは、各サービスを1つずつ詳しく見ていきます。
1. freee会計
freee会計は、クラウド会計ソフト市場を切り拓いた代表格です。「簿記の知識がなくても使える」というコンセプトを徹底しており、UIは家計簿アプリに近い感覚で操作できます。
メリット
– 取引登録の質問形式が直感的で、簿記未経験者でも迷わない
– スマホアプリで領収書を撮影すれば自動で仕訳候補が作成される
– 確定申告書類の作成から電子申告(e-Tax)までワンストップ
– 請求書発行・経費精算・給与計算など周辺機能との統合度が高い
デメリット
– 複式簿記に慣れた経理経験者にとっては、仕訳の自由度がやや低く感じる場面がある
– 法人プランは月額3,000円台後半〜と、競合より若干高め
– 「freee独自の用語」に慣れるまで戸惑う方も
おすすめの方
これから初めて確定申告に取り組む個人事業主、簿記の知識がなく「とにかくミスなく申告を終えたい」方には、私の創業相談の現場でも第一候補として案内することが多いツールです。
freee会計
クラウド会計ソフトの代表格。確定申告から請求書発行まで一気通貫で対応。
- 銀行口座・クレジットカード連携で自動仕訳
- スマホアプリで領収書撮影→自動入力
- 確定申告書類を自動作成
おすすめの方:簿記の知識がない初心者
2. マネーフォワード クラウド確定申告
マネーフォワード クラウド確定申告は、家計簿アプリで知られるマネーフォワード社が提供する、個人事業主向けの会計サービスです。同社の法人向けプロダクト群(給与・請求書・経費・人事労務など)とシームレスにつながるのが大きな強みです。
メリット
– 連携可能な金融機関・サービス数が国内最大級(2,400以上)
– 自動仕訳のAIが学習し、使い込むほど精度が上がる
– 副業から法人成りまで、同じ管理画面で段階的に拡張できる
– 仕訳帳の編集も柔軟で、簿記経験者にも使いやすい
デメリット
– freeeと比べるとUIがやや「会計ソフトらしい」ので、初心者は最初の学習コストを感じる
– 無料プランの機能制限が厳しめ
– 連携数が多い分、初期設定に時間がかかる
おすすめの方
副業から事業拡大を見据えている方、将来的に法人化を予定している方、複数の銀行口座やクレジットカードを使っている方には特にフィットします。私自身、自社(合同会社白眉コンサルティング)の経理でもマネーフォワード系のサービスを併用しています。
マネーフォワード クラウド確定申告
銀行・カード連携の自動取得に強み。仕訳の精度が高い。
- 連携先サービス数が業界最多クラス
- 自動仕訳の精度が高い
- 法人向けプランへの移行もスムーズ
おすすめの方:副業から事業拡大を見据える方
3. やよいの青色申告 オンライン
やよいの青色申告 オンラインは、業務ソフトの老舗「弥生」が提供するクラウド版です。デスクトップ版「やよいの青色申告」シリーズで20年以上の実績があり、その安心感と「初年度無料」というコスパの良さが魅力です。
メリット
– セルフプランは初年度0円で全機能を試せる
– 創業者向けの「業界最安」級の価格帯(2年目以降も月額換算で安い)
– カスタマーセンターによる電話・メール・チャットサポートが手厚い
– 仕訳辞書が充実しており、迷ったときに参照しやすい
デメリット
– 銀行・クレジットカード連携の対応サービス数は、マネーフォワードに一歩譲る
– UI・デザインは堅実だが、freeeのような「家計簿感覚」ではない
– スマホアプリの機能は、競合と比べるとシンプル
おすすめの方
「とにかく安く確実に始めたい」「サポートに電話で相談したい」というニーズに最もフィットするのは、個人的にはやよいだと感じています。創業1年目で出費を抑えつつ正確な申告をしたい方に向いています。
やよいの青色申告 オンライン
老舗会計ソフト「弥生」のクラウド版。初年度無料プランが魅力。
- 初年度無料で試せる
- サポート体制が充実
- 操作が直感的でわかりやすい
おすすめの方:コストを抑えつつ確実に始めたい方
4. 弥生会計 オンライン(法人向け)
ここからは、上記の主要3サービス以外で、私が創業相談の現場でよく名前を挙げる4つを順に紹介します。1社目は、弥生の法人向けクラウドサービス「弥生会計 オンライン」です。
「やよいの青色申告 オンライン」が個人事業主向けなのに対し、「弥生会計 オンライン」は法人の会計処理に対応しています。料金はベーシックプランで年額30,000円台〜(月額換算2,650円程度)。決算書類の作成、消費税申告にも対応しており、小規模法人なら十分実用的です。
メリットは、弥生ブランドの安心感と、税理士事務所での導入実績の多さ。顧問税理士との連携がスムーズです。デメリットは、自動仕訳の精度や連携先数では、マネーフォワードに一歩譲る点。
設立直後の合同会社・株式会社で、税理士に決算を依頼予定の方には選択肢に入れて良いサービスです。
公式サイト:弥生会計 オンライン
5. ジョブカン会計
ジョブカンシリーズで知られる「Donuts」社のクラウド会計ソフトです。同シリーズには勤怠管理・労務管理・給与計算・経費精算など、バックオフィス全般のサービスが揃っており、これらと連携してデータを一元管理できる点が最大の強みです。
料金は月額2,500円〜(小規模法人向けプラン)。
メリットは、ジョブカン勤怠・労務とのシームレスな連携。従業員を雇用している小規模法人なら、バックオフィス全体のコストを抑えられます。デメリットは、会計ソフト単体として見ると、freeeやマネーフォワードに比べてユーザー数が少なく、ネット上の情報量がやや少ないこと。
すでにジョブカン勤怠などを導入済みの法人にとっては、有力な候補です。
公式サイト:ジョブカン会計
6. HANJO会計(業種特化型)
HANJO会計は、飲食店・小売店など店舗ビジネスに特化したクラウド会計ソフトです。POSレジとの連携や、店舗別の損益管理に強みがあります。
料金は月額2,178円〜。
メリットは、店舗ビジネスならではの会計処理(日次売上の集計、原価率管理など)を標準機能でカバーしている点。デメリットは、店舗を持たない業種(フリーランスのクリエイター、コンサルタントなど)にはオーバースペックである点。
カフェ・美容室・小売店など、店舗を構える事業者の方は検討の価値があります。
公式サイト:HANJO会計
7. マネーフォワード クラウド会計Plus
7つ目は、中堅企業・上場準備企業向けの「マネーフォワード クラウド会計Plus」です。月額29,800円〜(税抜)と、本記事の中では群を抜いて高額ですが、その分、内部統制対応・監査対応・複数拠点会計などの本格機能を備えています。
メリットは、IPO準備やM&Aを視野に入れた高度な会計処理に対応している点。デメリットは、創業期・1人社長の規模ではオーバースペックでコストが見合わない点。
「将来は上場も視野に入れている」「拠点が複数ある」「監査対応が必要」というフェーズになったら検討すべきツールです。逆に言えば、創業期の方は「将来こういう選択肢もある」という参考情報として留めておけば十分です。
公式サイト:マネーフォワード クラウド会計Plus
あなたに合う会計ソフトの選び方
ここまで7サービスを紹介してきましたが、「結局自分にはどれが合うのか」が見えにくいかもしれません。中小企業診断士として現場で案内している「選び方フロー」を、簡単にまとめます。
Q1:あなたは個人事業主ですか?法人ですか?
- 個人事業主 → Q2へ
- 法人(設立直後・小規模) → Q4へ
- 法人(中堅・上場準備) → マネーフォワード クラウド会計Plus
Q2(個人事業主向け):簿記の知識はありますか?
- ほぼゼロ → freee会計
(家計簿感覚で使えるUI) - 多少ある → Q3へ
Q3(簿記の知識がある個人事業主):将来法人化する予定は?
- 数年以内に法人化を見据えている → マネーフォワード クラウド確定申告

- 当面は個人で続ける/とにかくコスパ重視 → やよいの青色申告 オンライン
(初年度無料)
Q4(法人向け):業種・社員構成は?
- 一般的な小規模法人で、税理士と連携 → 弥生会計 オンライン
- ジョブカン勤怠などを既に利用中 → ジョブカン会計
- 飲食店・小売店など店舗ビジネス → HANJO会計
- WEB系・士業・コンサルなど一般的な無形商材 → freee会計(法人プラン)またはマネーフォワード クラウド会計
あくまで一つの目安ですが、迷ったときの判断材料にしていただければと思います。私の場合は、創業相談に来られる方には「まずやよいの初年度無料プランで触ってみて、不便を感じたら乗り換える」というご提案もよくしています。
よくある質問 FAQ
Q1. 途中で別のクラウド会計ソフトに乗り換えることは可能ですか?
可能です。ただし、年度の途中での乗り換えは仕訳データの移行作業が発生するため、事業年度の切り替わりタイミング(個人なら1月、法人なら期首)での移行をおすすめします。多くのサービスがCSVエクスポート/インポート機能を備えています。
Q2. クラウド会計は税理士に嫌がられるって本当ですか?
かつてはそういった声もありましたが、現在ではfreee・マネーフォワード・弥生のいずれも認定アドバイザー制度を整備しており、対応できる税理士が大幅に増えています。契約前に「どの会計ソフトに対応しているか」を確認しておくと安心です。
Q3. 無料プランだけで確定申告まで完結できますか?
基本的には難しいです。やよいの初年度無料プランは全機能が使えますが、freee・マネーフォワードの無料プランは機能制限があり、申告書類の出力に有料プランが必要なケースがほとんどです。
Q4. インボイス制度・電子帳簿保存法には対応していますか?
本記事で紹介した7サービスはすべて、2026年6月時点でインボイス制度・電子帳簿保存法(電帳法)に対応しています。ただし対応範囲はプランによって異なるため、契約前に公式サイトで確認することをおすすめします。
Q5. スマホだけで会計処理は完結できますか?
freeeとマネーフォワードはスマホアプリが充実しており、領収書撮影〜仕訳まではスマホで完結します。ただし、確定申告書類の最終チェックや決算処理は、PCの大きな画面で行うほうが圧倒的に効率的です。
まとめ
クラウド会計ソフトは、創業期の経営者にとって「経理の負担を最小化し、本業に集中する」ための重要なインフラです。今回紹介した7サービスは、いずれも実績のある選択肢ですが、ご自身の事業フェーズ・業種・将来計画によって最適解は変わります。
迷ったときは、初年度無料のやよいの青色申告 オンライン
や、月額数百円から試せるプランで「まず触ってみる」ことをおすすめします。実際に自分の取引データを入れてみないと、UIや連携の使い勝手は判断できません。
会計ソフトの選定は、創業準備の中でも特に「あとから変えにくい」決定の一つです。専門家の客観的な意見が欲しい方は、お気軽にご相談ください。私(中小企業診断士・堀)が運営する大分のシェアオフィス「ユナイテッドシェア大分」では、入居者の方向けに会計ソフトの選定相談も承っています。


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